点滴のルート取りにおける簡単だけど重要なテクニックを書いていきます。

点滴ラインの取り方の基礎はこちら→点滴ライン/ルート確保の基本手技、手順、やり方 | 医者物語

スポンサードリンク

ルート取りでの簡単&重要要素・テクニック

良い血管を隈なく探す

左右の前腕を裏表隈なく見て触って血管を探しましょう。正中皮静脈側(掌側)で血管を探すのが一般的だと思いますが、十分な太さの良い血管がないとき、背側もじっくり探すのは有用です。意外に立派な血管があったりすることがあります。なければ手背で探すと思いますが、上腕も場合によってはアリです。GVHD後で指先から中心性に皮膚硬化のある患者の上腕で取ったこともあります。それでもなければ足も。

血管を拡張させる

駆血帯をしっかり巻いて、手をグーパーグーパーしてもらう、手を胸より低い位置に置く、腕を暖める、(しばらく前に)水分を摂らせる、などなど。グーパーグーパーが体位に関わらずすぐ出来るのでオススメです。数回やればすぐ拡張します。

ベストポジションを探す

自分がやりやすい状態でやること、大事です。患者さんに動いてもらってokです。こちらが右利きなら刺入部位より左側にポジションを取る、しっかり脇を締められる体勢、血管に対して針を水平に持てる位置。

血管の太さによって刺し方を変える

表皮は痛覚があるので一気に刺した方が良いと言われます。しかし、表皮が薄くて極細血管の人に一気にさしたらまず貫通します。ほんの少しズレただけで失敗しますからね。細い人には慎重に、太い人には一気に(自分が失敗しない範囲で)刺せばいいと思います。刺すときは出来るだけ針を寝かせた方がいいです。これも同じく貫通するリスクを下げるから。ただたまに、角度が浅すぎると針が血管に届かないような皮下脂肪が多い人もいます。その際は少し角度を付ければいいだけです。

逆血が来たら超慎重に

血管に当たったことは間違いないから。少しでも針先が戻ればたちまち皮下出血を起こして失敗しますので、絶対に針は引かずに。ゆっくりと進めるあるのみです。

針を持ち上げながら進ませる

持ち上げることで、刺入点を中心に血管が伸展及び回転移動し、針下のスペースが大きくなります。よく針を”寝かせる”といいますが、同じことです。ただ”寝かせる”だと、刺入角度によってはそれ以上寝かせにくかったりするし、針先がやや戻ってきてしまう可能性があると思うんですよね。ということで、”持ち上げる”を意識するのがよいと思います。

上級医や熟練看護師に頼む

ある程度やれば、この血管は無理だな・・・と自分のレベルが分かってきます。で、そういう風に思った際ってなかなか入らなかったりするので、自分より上手い人に頼むのもの手です。そういうのもやることで上達していくとは思いますが、患者からしたら、失敗すればそれだけ痛い思いをする回数が増える訳ですからね。

スポンサードリンク

ルート難のパターン分類

  • 血管が細い。血管がない。(根本問題、針が入らない)
  • 皮膚がゆるゆる。(刺しにくい、血管が動く)
  • 皮膚が硬い。(血管が触診しにくい、刺入の感触が違う)
  • 血管が脆い(針を進めた際に簡単に出血する)
  • 血管が蛇行。(血管内に入っても内筒を進めさせにくい)

過去最強のルート難症例

血管がなくて、皮膚硬化があって、皮膚があれている患者。手も無理で足も無理でした。手術の術中抗生剤投与のためのルートだったのだけれど、同期が無理で、上級医が無理で、ベテラン看護師が無理で、麻酔科で一番上手い人が無理でした。結局局所麻酔レベルの手術だったので、主治医の判断で点滴無し、内服で対応になりました。早い段階でそうしていたらそんなに刺されなくて済んだのに・・・とはちょっと思いました。

ルートを取るのが上手い科

日々ルート取っていたり、細い血管でルートを取っている科。麻酔科、放射線科、小児科辺りが上手いです。まず小児では血管を照らすライトがないと血管が見えません。幼児の点滴はかなり難しいですね。

スポンサードリンク

まとめ

どれも基本的なテクニックを書きましたが、個人的に伝えたいのはイラスト付きの「針を持ち上げる」内容です。

Aラインにも同様に使えて、それまで”針を寝かせる”を意識していてもよく貫通させてしまって、貫通法(貫通させてシリンジ針に装着、陰圧をかけながら引き逆血が来たところで再度内筒を進める方法)で行っていました。

持ち上げることを意識してからは貫通せずにそのまま全例挿入できるようになり、「なんてやりやすい方法だ!」と思ったので紹介しました。Vラインは貫通させるとすぐ皮下が膨らんできて難しいですし、できるなら貫通させない方が良いと思います。

個人の技術的問題なので、現在問題なく出来る人は構わないですが、同じような経験がある方は是非試してみて下さい。

研修医向けおすすめ記事