【血液検査】血算CBC・血球分画の項目と見るべきポイント


CBC:complete blood count(全血球数)の略で、EDTA入りの紫スピッツを使います。

生化学と共に、血液検査では一番基本的に調べる頻用項目です。血算の項目と正常値、異常値および臨床において実際に何の数値を見ているのか簡潔に記載します。

sponsored link

一般内科で見るCBC

血液内科などの血液に関して特殊な科以外では、WBC, Plt, Hb, Neutroを辺りを見ておけばokです。

WBCが高ければ何らかの炎症や悪性腫瘍、低ければ骨髄低形成などの病態を疑います。臨床的には主に、高値による炎症や感染をcheckします。他、低すぎて易感染性がないかをチェックします。

Pltが高ければ多血症や本態性血小板血症などの血液疾患を疑い、低値では白血病やITP, TTP, DICなどを疑います。低値による出血傾向の病態が重要で、数値が低くないかcheckします。50万を超えたり、3桁万に届く場合は血液疾患を疑います。

RBCが低ければHbもHtも低いので、基本的にHbの値を見ればokです。低値で貧血がないかチェックします。RBC, Hb, Htの値を使うことで赤血球の容積や赤血球内のHb量・Hb濃度も求められ、貧血の原因を推定できます。

Neutroは白血球の内の好中球の割合で、化学療法中の患者で重要です。化学療法中の患者では白血球が減少し、白血球の成分のNeutro数も同様に減少します。Neutro<500で発熱性好中球減少症(FN:febrile neutropenia)として、白血病以外ではG-CSF製剤の使用や、抗菌薬・抗真菌薬の予防的投与・治療的投与が検討されるため、数値を確認します。

 

CBC主要項目

※基準値に関しては施設ごとに多少異なります。

WBC : white blood cell count〔白血球数〕

正常値:3500-9000/μL

前述の細菌感染症や炎症病態の他、ステロイドの使用でも上昇します。

高値:炎症、感染症、悪性腫瘍、ステロイド使用など
低値:膠原病、造血不良の血液疾患、化学療法中など

RBC : red blood cell count〔赤血球数〕

正常値:男性430-570×10^4/μL 女性380-500×10^4/μL

月経による出血があるため女性の方が低いです。多血、貧血の指標ですが、Hbを見ればokです。脱水に伴う血液濃縮でも上昇します。

高値:脱水、真性多血症
低値:貧血、出血

PLT : platelet count 〔血小板数〕

正常値:15-35万/μL

低値による易出血性に一番注意します。原因としては血液疾患が多いです。

高値:多血症や本態性血小板血症などの腫瘍性、もしくは出血後の反応性
低値:再生不良性貧血、急性白血病、特発性血小板減少紫斑病、DIC、肝硬変など

施設に依り基準は異なりますが、5万/μLを切ると輸血が必要と判断されます。

Hb : hemoglobin〔ヘモグロビン、血色素量〕

正常値:男性13-18g/dL 女性11-15g/dL

ヘモグロビンの量で、貧血の指標。Hb<10g/dで貧血です。Hb<7g/dLで輸血が必要と判断されます。高値では脱水による血液濃縮、多血症などを疑います。

Ht : hematocrit〔ヘマトクリット〕

正常値:男性40-52% 女性35-45%

血液中の赤血球全容積の割合。脱水による濃縮で高値、貧血で低値となります。

 

赤血球関連

MCV :  mean corpuscular volume〔平均容積〕

MCV = Ht (%) × 10 / RBC (10^6/μL) (基準値:85-102fL)

赤血球1つ辺りの大きさです。

MCH : mean corpuscular hemoglobin〔平均血色素量〕

MCH = Hb (g/dL) × 10/RBC (19^6/μL) (基準値:28-34pg)

赤血球1つ辺りのHb含有量です。

MCHC : mean corpuscular hemoglobin concentration〔平均血色素濃度〕

MCHC = Hb (g/dL) × 100/ Ht (%) = MCH × 100 / MCV (%)(基準値:30-35%)

赤血球1つ辺りのHb濃度です。Hbが濃いか薄いか。

 

赤血球1つ辺りの大きさとHb量で濃度は求められるので、MCVとMCHだけで判断できます。出血に伴う小球性貧血や、胃全摘後の栄養素吸収不良に伴う大球性貧血が多いです。

▼赤血球恒数による分類

赤血球恒数 疑われる貧血
MCV MCH MCHC
低値 低値 低値 鉄欠乏性貧血、慢性的な出血による貧血など
正常範囲 正常範囲 正常範囲 再生不良性貧血、溶血性貧血など
高値 高値 正常範囲 溶血性貧血、巨赤芽球性貧血(葉酸低値、VitB12低値)など

 

白血球分画 

Neut : neutrophil count〔好中球数〕

正常比率:40-75%

感染や炎症性疾患、悪性腫瘍・血液腫瘍などで上昇します。ステロイド使用時も上昇する傾向にあります。WBCの上昇だけでなく、Netroの割合も増加します。

数が500を切ると発熱性好中球減少症(FN:febrile neutropenia)に要注意で、発症すると高熱を出します。500-1000以下でGCS-F製剤(®グランシリンジ)を注射します。

Band/Stab : band/stab cell〔桿状核球〕

正常比率:1-7%

白血球の内の分画の一つです。白血球は成熟するごとに核の分葉が進むため、言うなれば桿状核球は未熟な好中球です。あまり重視しません。

Seg : segmented cell〔分葉核球〕

正常比率:34-70%

白血球の分画の一つです。成熟した好中球であり、細菌感染などで上昇します。

Lym : lymphocyte〔リンパ球〕

正常比率:18-49%

伝染性単核球症やリンパ性白血病、百日咳などで上昇します。リンパ球主体に増加するような病態以外ではあまり重視しません。

Mono : monocyte〔単球〕

正常比率:2-10%

麻疹などの発疹性感染症や造血回復期に上昇します。化学療法中の患者でRetiと同様に骨髄の回復を示唆します。

Eosino : eosinocyte〔好酸球〕

正常比率:o-8%

アレルギー疾患、寄生虫感染、膠原病などで上昇します。Eosinoが上がる特殊な病態以外ではあまり重視しません。

Baso : basocyte〔好塩基球〕

正常比率:o-2%

慢性骨髄性白血病の急性転化時などに上昇します。Eosino同様、あまり重視しません。

Reti : reticulocyte〔網状赤血球〕

正常比率:1~3%

造血機能の指標となります。高いと造血を頑張っている状態で、今後の血球回復が見込めます。化学療法中の患者で造血機能の回復をこの値にて推定します。低いと血球の減少傾向やnadir(どん底)の持続が予想されます。

Blast : blast cell〔芽球〕

正常比率:o%

芽球が血液検査で検出されたら白血病です。

まとめ

  • WBC, Hb, Plt, Neutroを最低限チェック
  • 炎症・感染によるWBC上昇およびNeutro割合増加がないか
  • WBC低値、Neutro数低値でFNに注意、G-CSF製剤投与の判断(Neutro<500-1000)
  • Hb低下で貧血がないか、輸血の判断(Hb<7)、Hb上昇は血液濃縮が多い
  • 出血傾向を疑うPlt低下がないか、輸血の判断(Plt<5万)
  • Reti、Monoは造血機能の指標

かなり大まかに書きましたが、上記の辺りを把握しておけば血液検査の血算の見方としては概ね問題ないと思います。

sponsored link

研修医向けおすすめ記事

スポンサードリンク

ブログランキングに参加中

ブログランキング・にほんブログ村へ

関連記事

2 Responses to “【血液検査】血算CBC・血球分画の項目と見るべきポイント”

  1. 埼玉県民 より:

    ハイエナMRの私は記事で復習出来て有難いです。仕事帰りにハイエナもほとんど行かなくなってしまいましたが…

コメントを残す

このページの先頭へ